検定試験って何のために受けるの?

検定試験の申し込みの際に「うちの子は受けられる(合格できる)でしょうか?」と聞かれることがありますが、その時は

「試験日までの約1か月、一生懸命に練習すれば合格する可能性は十分にあります。」

と答えるようにしています。

もしかしたら求められている答えとは違うかもしれません。「合格間違いなしですよ」とか「今回は難しいからやめた方が良い」と答えた方が判断しやすいかもしれません。

ですが、そういった答え方はしないようにしています。なぜなら検定試験は「合格できそうだから受験する(合格できなさそうだから受験しない)というものではない」と私が思っているからです。

では何のために検定試験を勧めるのでしょうか?理由は二つあります。

1つ目は「努力目標として」。ただ単に「上手になりましょう」と目標もなく黙々と練習できる人は少ないです。「○月○日の検定試験に合格できるように練習しましょう」と明確な目標がある方が俄然やる気が出るはずです。

もう1つは「挑戦すること。そして失敗すること。」の経験を積んでほしいと思っているからです。

少し高い目標に向かって挑戦する。その結果合格できた時には「やればできる」という成功体験になり「自信」につながります。これが良いことだというのは誰もがわかってくれると思います。

ただ、反対に合格できなかった場合、それも子供にとっては貴重な経験になります。「もっと練習しておけばよかった」「合格には届かなかったけど点数がかなり上がった」など不合格から学べることは合格より多い時もあります。そして「よし、次は頑張ろう!」と努力を続けた結果で勝ち取る合格はストレートに(不合格なく)合格できた時よりも価値があるかもしれません。

珠算の検定試験に資格としての価値は(現在では)ありません。だから必ず(あまり練習しなくても)合格できる検定試験の受験にはほとんど意味がありません。少し高い級に向かって努力をすること自体が検定試験の価値だと私は思っています。

上級になってくると1回目の検定試験で合格できることは稀です。不合格になることを恐れずにドンドン挑戦していってください。

(教室だより令和5年2月号より)