例1)点数をつけさせる
授業では(基本的に)生徒同士で交換して採点(丸つけから点数づけまで)をさせています。一番最初は1問1点のプリント練習から始まるので丸の数を数えるだけで良いはずですが、意外とそれができない子が多いです。単純に「数を数えることが出来ない」のです。10以上になってくると数を飛ばしたり、途中でわからなくなってくる。今時の子供は数を数えるという経験が少ないのかもしれません。
「点数をつける」だけが目的ならば効率的な点数の付け方(一段目まで全部丸だったら6点、二段目までは12点、と教え込むなど)をしたり、代わりに点数をつけてあげたりする方が早いですが、「数を数える」ということは算数の基本中の基本。まずはそれができる様に、時間がかかっても、何度でも、正しく点数がつけられるでやり直させています。
例2)自分のプリントは進捗表から読み取る
生徒はプリントの進み具合を貼り出してある『進捗表』を各自で見て自分がやるプリントを用意します。表の見方は(多分)小学3年生くらいで習うことだと思いますが、小さい子でも慣れれば自分で表を見られる様になります。
算数(数学)が苦手な人はすぐに「結論」を求めます。「点数のつけ方がわからない子には点数をつけてあげる」「表の見方がわからなくて次のプリントがわからない子にはどのプリントか教えてあげる」「意味はわからなくても公式を覚え込んで問題を解こうとする」などなど。でも、算数(数学)で重要なのは「結論」ではなくそれを導き出す「過程」です。公式は覚えるのではなく、その公式が出来た理屈を理解しなければいけません。「覚えること」を少なくしていくことが算数(数学)の根本です。
ちょっと話が脱線してしまいましたが、安易に方法や結論を教え込むことは算数が苦手な子を育てます。まずは原理原則をしっかりと身につけること(理解すること)。遠回りに見えますがそれが算数(数学)が得意になる近道です。(理系出身のゲン先生より)
(教室だより令和3年11月号より)